1.
フルートとチェンバロのための「対話」 作曲
・1985年(昭和60年)3月
・ニューイングランド音楽院
・フルートとチェンバロの両楽器を人間に見立て、対話させる形で初めて無調の音
楽の表現形態をとった。
2. フルートソロのための「対話ll」 作曲
・1986年(昭和61年)4月
・ニューイングランド音楽院
・人間の対話を楽曲で表現するという問題をさらに追求した作品。
3. オルガンのための「ファンファーレ」 作曲
・1988年(昭和63年)4月
・オールドウエスト教会
・教会で演奏されることを前提に讃美歌のメロディーを無調の作品に織りまぜた小
品である。ニューイングランド音楽院教授、林佑子女史より委嘱された作品。
4. 弦楽四重奏のための「Wave ll」 作曲
・1988年(昭和63年)11月
・ハーバード大学 ホームズ・ホール
・波は一見連続したエネルギーの動きに思われるが、実は細かい点の連続ともとら
えられる。また表面上は激しい動きであっても、底の方ではゆっくりとした動き
がある。この作品では異なるエネルギーのもつ二項関係を主題に作曲した。
5. 室内オーケストラのための「越天楽」 編曲
・1989年(平成元年)5月
・ホテル、マリオット
・雅楽の作品を西洋のオーケストラのために編曲することで。雅楽のもつ日本の精
神性をいかに表現できるかを試みた。
6. ピアノのための「ポリフォニーの中の夢」 作曲
・1989年(平成元年)5月
・ウイリアムス・ホール
・ポリフォニー音楽は内声が複雑に入り組んでいる。この作品では理詰めに思われ
がちな楽曲構造の中にファンタジーを作りたいと試みた作品である。
7. ヴァイオリンとピアノのための「Wave」 作曲
・1990年(平成2年)9月
・ポーランド、ポズナニ フィルハーモニア・ホール
・弦楽四重奏曲で試みた二項関係をヴァイオリンとピアノで行った作品。ヴィニア
フスキ国際作曲コンクール優勝作品。
8. 8人の演奏家のための「智恵子」 作曲
・1990年(平成2年)11月
・ハーバード大学 ペイン・ホール
・高村光太郎作「智恵子抄」の中から千鳥と遊ぶ智恵子の詩を選び、この詩に内在
する二項関係を浮かび上がらせることを試みた。歌の部分はそれを象徴するかの
ように英語と日本語が両方歌われる。
9. フルートとピアノのための「組曲」 作曲
・1991年(平成3年)11月
・新潟市音楽文化会館
・作家、辻邦生氏の「十二の肖像画による十二の作品」より3編を写実的な表現方
法で再現した。
10. 室内楽とテープのための「オール・イコール・ゼロ」 作曲
・1993年(平成5年)10月
・北海道、大沼 数理科学振興会セミナーハウス
・コンピュータ音楽、歌曲、室内楽をミックスさせ、新たなメディアの可能性を探
った作品。数学者、広中平祐氏による委嘱作品。
11. オルガンのための「宇宙」 作曲
・1994年(平成6年)4月
・フェリス女子大学 フェリス・ホール
・宇宙は全てを掌握しているエネルギーと考え、過去の調性音楽も無調の音楽も一
つに融合されるのではないかという希望をこめて初めて調性の感じられるフレー
ズをあえて作品のいたるところにちりばめた。
12. コンピュータ音楽のための「無題」 作曲
・1994年(平成6年)8月
・新潟、第四ホール
・コンピュータでデジタル音を処理し、その音をサンプルデータとしてキーボード
にアサインし、ミディによってコントロールする作品にしあげた。
13. モノオペラ「銀杏散りやまず」 作曲
・1994年(平成6年)11月
・有楽町朝日ホール
・TBSテレビ収録 日本琵琶協会による委嘱作品として作曲した。辻邦生原作、磯
崎新ー舞台美術、木戸敏郎ー演出。新たな試みとして、琵琶と現代音楽がオペラの
形態で合体すること、舞台上の演奏家に取り付けたマイクからの音をコンピュー
タにリアルタイムで信号処理をさせ、ジョイスティックを使って、会場を取り囲
む形で配置した4スピーカーを流れることを行った。
14. 箏4人のための「I just wanna be loved」 作曲
・1995年(平成7年)5月
・バリオ・ホール
・Koto Vortexによる委嘱作品。箏のテクニックの限界に挑戦すべく、様々な試み
をした。現代奏法はもとより、豊かな音色を生かしつつ、英語で母音を歌わせる
ことで新たな音色を構築した。
15. フルート、アルトフルート、ピッコロと17弦箏のための「Remembrance of
Things Passed 」 作曲
・1995年(平成7年)12月
・東京中央教会
・フルート、アルトフルート、ピッコロとそれぞれの楽器の特性(音域など)を生
かしつつ、箏とのアンサンブルで異文化的な時空空間を構築した作品。
16. 2トラック・デジタルテープのための「Wave IV」 作曲
・1996年(平成8年)9月
・波のシリーズで追求してきた二項関係のアイディアをアコースティックな音響か
らデジタルな可能性がもたらす自由な音響づくりへと導かせてくれた作品。
17. 4人の木管奏者のための「Dawn 」 作曲
・1998年(平成10年)1月
・文京シビック・ホール
・ソニック・スペクトラ・チェンバースによる委嘱作品。異なる二種類の音階を対
比させ、雲の合間から射してくる光明をイメージとして正月に初演された作品
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