ヒメコウホネが危ない!?

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ヒメコウホネが危ない-その1

さて,だいぶ引っ張ってしまいましたがヒメコウホネの危機的状況について写真たっぷりで報告していきたいと思います.
ここで取挙げているのは狭義のヒメコウホネ(=東海型ヒメコウホネ)についてです.

産地A-1(三重県)の場合
 集団の様子(2001年6月)

細い水路に2×5m程度の群落を作っています.この集団は2001年の秋には増水で深刻な被害を受けていました.


産地A-2(三重県)の場合
 ヒメコウホネピンチの図(2001年6月)

生育地は農業用の水路なのですがここを見たときは愕然としました.コカナダモに押しやられて細々と生育しています.来年が心配です.
この水路はヒメコウホネのほかに・・・
ヒルムシロ,フトヒルムシロ,ミズオオバコ,ミクリ(ナガエ?),キクモ,ミズトラノオ(絶滅危惧U類),アサザ(絶滅危惧U類),ミズタガラシ,ガマ(コ?),ツルヨシ,タウコギ
などと様々な水草がみられ,まさに天然のアクアリウムでした.しかし近年コカナダモが大繁殖して,危機的な状態になっています.
こんな色々な水草が生えている水路は現在ではごくごく稀になってきていると思うので何とかならないかと思いました.


産地B(岐阜県)の場合
 集団の様子.一緒に写っているのはミズタガラシ.(2001年6月)

この集団は,50cmの幅の水路に10mから20mの群落を作っていました.普通の植物集団としては小さいですが,ヒメコウホネとしてはかなり立派(最大級?)な部類にはいります.この集団は地域の人に手厚く保護されています.

ですが・・・
 ミゾソバ大繁殖の図.(2001年9月)

秋に同じ水路を見に行ったら,ミゾソバが大繁殖し,ヒメコウホネ群落の端の部分は完全に埋もれてしまっていました(ちなみに群落中央はまだ大丈夫でした).保護の大変さ,難しさを感じました.


産地C(愛知県)の場合
 生育地のあと

もう,これはみたままです.産地についたら開発直後でした.本当にショックだったのを覚えています.ですがこんな風に,調査もされず,なくなっていく集団はたくさんあります.

※もし,狭義のヒメコウホネ(葉が円形)の集団の情報をお持ちの方がいらっしゃったら是非とも情報をお願いします.

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