コウホネ属の分類形質

コウホネの話に戻る
日本のコウホネ属

植物の同定はその植物に詳しくない人にとってみれば,同定に利用する分類表が耳慣れない形態用語であふれているため,とっつき難いのが実際です.ここではコウホネで用いられている分類形質の説明をします.

(1)抽水か浮葉か
 コウホネ(滋賀県今津市)
これが「抽水」状態.葉が水上に抜き出ます.

 ヒメ?コウホネ(香川県引田町)
これが「浮葉」状態.葉が浮いてます.


(2)花の形質
 花の形質名称
雌蕊の上部は円形に広がって,「盤(disk)」状になり(→このことを「柱頭盤」と呼ぶ),柱頭はその上に放射状に並びます.
最外に位置する一見したら花びらと思ってしまう部分は「萼片」に当たります(5-6枚).


(3)柱頭盤が鋭頭?鈍頭(円頭)?
 コウホネの花
柱頭の先が鋭頭なのがわかります.この柱頭はかなり典型的なものです.

 ヒメコウホネ(東海型)の花
柱頭の先が鈍頭(?)です.
上の写真に比べれば鈍頭ということですが,図鑑に載っているような柱頭の先が円頭形のものはいままで観察したことがありません.
判断にはかなり主観が入ります.


(4)柱頭盤の色
 ベニオグラコウホネの花
柱頭盤が赤いのがわかります.上の2つの写真と比べてみてください.

日本のコウホネ属
コウホネの話に戻る