@西表島マングローブ林+α

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 マングローブ林の全景.

 沖縄県西表島船浦.
 ここでは前面はヤエヤマヒルギが主に前面を占めていた.
 干潮時に撮影.
 オヒルギ(Bruguiera gymnorrhiza

 花がたくさん咲いていた.赤い萼片の内側の淡黄白色の花弁は雄蕊を包んだ構造をとり,胚珠付近の蜜を送粉者が吸おうとすると,刺激を感じて花弁がはじけ,花粉が送粉者に着く.
 オヒルギの胎生実生.

 ヒルギ科の仲間は果実が枝についた状態で中の種子が発芽して幼植物になる.
 これを「胎生種子」と呼ぶが,英語ではただの「seedling」であることから,「胎生実生」などと読んだ方が誤解を生まなくて良いとのことだった.
 オヒルギの屈曲膝根.

 マングローブ植物はそれぞれ特徴的な根を持つ.オヒルギは膝を曲げたような形の根を地上に出す.
 オヒルギの屈曲膝根A.

 こんなに高くて顕著なのも見られた.
 ヤエヤマヒルギ(Rhizophora mucronata

 別名,オオバヒルギ.
 幹の下部や太い枝から,タコ足状の支柱根を多数出している.
 マングローブ林の最前列に出てきていた.
 ヤエヤマヒルギの花,つぼみ.

 花弁,萼片ともに4枚.
 写真が余りよろしくない.
 ヤエヤマヒルギの実生.

 ヒルギは「漂木」から来たもので,胎生実生はデンプンがたくさん含まれており,浮かびやすく,海流散布されやすい構造をしている.
 しかし,それほど遠距離は不可能らしい.
 ヒルギモドキ(Luminizera racemosa

 シクンシ科(COMEBRETACEAE)らしい.漢字でどうかくのだろう?不思議.
 マングローブ植物の黄色化している葉はたいてい塩辛い(塩分排出のためらしい)が,ヒルギモドキは更に塩辛かった.
 ヒルギダマシ(Avicennia marina

 宮古島以南に生育.
 多数の呼吸根を上向きに出している.
 観察した感じではヤエヤマヒルギよりも前面にいる傾向があった.ただし,群落化しているものを観察することはできなかった.
 ニッパヤシ

 ヤシなのにマングローブ植物.本当にオヒルギ,ヤエヤマヒルギ林の中に生えていてびっくりした.
 船浦のニッパヤシ群落は国指定天然記念物で,西表島が分布の北限.大変貴重.
 ただ,船浦の株はほとんどワン(or2)クローンではないかという話だった.恐るべしクローン成長.
 ニッパヤシの根元.

 こんな感じで根元が折れてました.
 ニッパヤシの花.

 船浦の個体は結実がないことから,ワンクローンではないかと推測されている.
 今回は雄蕊?雄花?の時期だった.
 うーん,なんかおっかない.

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