長澤(正樹)研究室の紹介

写真はYahooニュースより

1.研究内容 このあとに記載しています
2.担当
 (1)大学院教育実践学研究科(教職大学院)
  通常の学級における特別支援教育、特別支援教育の事例研究、特別支援教育コーディネーター論など

 (2)大学:(2)学部:教職必修科目:特別支援教育概論(前後期 木曜5限)


3.新潟大学 キャンパスライフ支援部門(副部門長) (前教育学生支援機構 キャンパスライフ支援センター)
         特別修学サポートルーム  サポートルームツイッター
 特別な支援を必要とする学生の皆さんを支援します。お気軽にご相談ください。


1.研究内容:令和5年度の取り組み(継続)

 (1)AB-ANGELSの開発:実践報告はこちら
 AB-ANGELS(Applied Behavior Analysis Need Gentle Education and Learning System)、問題行動観察支援ツールと指導計画作成システムを開発しています。
 これは、iPhoneを使い特定の行動の生起前と生起後を記録し、Web上で協働して問題解決をし、指導計画を作成するWebアプリです。
 長岡技術科学大学永森先生、民間企業(ロレムイプサム・薄田氏)との連携により、子どもの問題行動を観察しデータを指導計画作成に生かすシステムを構築し、普及につなげます。協力機関は、エンジェル療育教室、新潟大学附属特別支援学校などです。一緒に実践してくださる機関(方)を募集します。

 (2)特別な教育的支援を必要とする児童生徒への支援
 発達障害などの障害以外の子どもたちへの対応を研究しております。反応性アタッチメント障害(虐待)、Twice Exceptional(2E) Children、感覚の過敏性(HSC)、起立性調節障害、クレプトマニア、素行症、ギフテッド、学習上の困難さを示す児童、不安障害、共依存など。
 関係する論文はこちら

 (3)学習のユニバーサルデザイン
 障害のある子どもも含め、どの子も学びやすい学習条件や指導法について研究しております。資料は研究室資料のページへ。今年度も「学習活動と学習内容の自己評価を取り入れた授業モデル」を中心に、「わかる」授業の在り方や多様な学びと段階的な特別支援を検証していきます。内容は講演や研修会で紹介しております。 

 (4)子どもの悩みに応える対応モデル
 障害という視点ではなく、子どもの悩みに焦点化し、子どもと子どもを取り巻く人々のQOLを大切にした対応を検証していきます。特別支援教育の視点による生徒指導、スクールワイドの積極的行動支援(ユニバーサルプログラムからの段階的な生徒指導)を研究しております。なお、講演で実践を紹介しています。資料は上記の研究室資料のページに「対応マニュアル」をはじめいくつかの資料があります。
 新潟市スクールカウンセラーを担当しております。
 
 (5)発達障害への支援
  @発達障害特性のある幼児に対し、早期療育の在り方を考えていきます。連携協力施設です。早期療育の有効性をエビデンスにもとづいて示していきたいと考えています。あわせて、放課後デイサービスにおける発達障害支援事業にもかかわっています。
  A発達障害児童施設職員研修システム開発への援助。民間企業(Easpe)の依頼にアドバイザーとして参画します。
    7月10日 開発中のシステムについて、Zoom会議。システムの内容と現状について報告していただきました。今後に向けて、いくつか意見を述べました。



業績一覧  

実践報告

○特殊教育学会ポスター発表

○新潟県5Gビジネス支援事業者決定のお知らせ 7月29日  

○朝日新聞夕刊記事 7月22日  

○朝日新聞記事 7月21日朝日デジタル

○日本教育校学会研究会発表
 発表資料です

○朝日新聞の取材、助成金

7月3日、中央区エンジェル療育教室にて、朝日新聞の取材を受けました。
AB-ANGELSの内容と実践方法、有効性についてはもちろん、幼児の療育教室についても取材されていました。
AB-ANGELSの紹介については、この資料で説明しました。

それから、AB-ANGELSを使ってのカンファレンスを実施し、システムがどう生かされ、役立っているのかを見ていただきました。

なお、この事業は、県の「5G活用ビジネス創出事業費補助金」を受けることがきまりました。



○エンジェル療育教室との打ち合わせ・今後の方向性

4月17日、エンジェル療育教室中央区と西区にて、今後の進め方などについて話し合いました。
西区教室は、はじめてこのシステムを導入することとなりました。

・エンジェル療育教室としてこのシステムを正式に取り入れる方向性である
 つまり、カンファレンスや子どもの記録など、正式なシステムとして採用を検討
・新潟県、長岡市の補助金申請
 5G活用ビジネス創生事業などにエントリーする
・保護者との連携推進
 療育教室利用者保護者に、家庭での記録を依頼する。療育教室・専門機関・家庭との連携の実施
・システムのアナウンス
 研修会などでこのシステムを紹介し、連携推進に役立ててもらう。小中学校と特別支援学校、通級指導教室と小中学校、特別支援教育コーディネーターと専門機関など。
・問題行動場面の動画と、問題が起こらなかった場面の動画を並列し、子どもにかかわる大人がその違いに気づくための工夫を取り入れる

○改良版AB-ANGELS

4月6日、長岡技大にて改良版AB-ANGELSについて議論しました。

<新しい機能>
新たに加わった機能(近日中に加わる機能も含む)は、以下の通りです。


(上の画面は、あくまでもイメージです)

・ビデオクリップの最初の画像が表示され、内容がわかりやすい
・分析と支援計画作成のための、意見を書き込める
・動画内の発言を文字表記できる
・AIを使い、必要な情報(子どもの名前、遊び、おもちゃ、行動など)を検索できる
・共有管理により、必要なメンバーで共有できる(個人情報の管理)
・違う場面の動画(例えば、療育教室と家庭など)を動じ提示し、比較できる
・カメラ画面では、録画状態がわかる
・連続録画が可能になった(以前は5分待って、次の動画撮影)

<今後>
・音声によるスイッチ(「だめ」「やめなさい」でスイッチが入る)の開発
・位置情報の活用
・学校、家庭、保育園、事業所など、複数の場面での実施


○AB-ANGELS

事例データベースシステムモバイルの名称(略称)がきまりました。
AB-ANGELS(Applied Behavior Analysis Need Gentle Education and Learning System)です。
直訳は「応用行動分析には優しい教育と学習システムが必要」です。
長岡技大の永森先生が命名されました。
私たち共同研究者の思いが込められているとおっしゃっておられました。

○事例データベースシステムモバイル カンファレンスで使用

システムをエンジェル療育教室の活動に使ってもらっていますが、2月21日のカンファレンスで記録したビデオクリップを使いました。
このカンファレンスは、療育に参加している幼児の事例について情報共有し、今後の療育内容を検討することを目的としております。
今までは固定カメラで録画した動画を使い、必要な場面を早送りで探していました。
しかし、このシステムは違います。
話し合いに必要な場面や行動がすばやく、そして必要な情報のみ共有でき、大変便利だと思いました。
さらなる改良を加え、Web上で個別の指導計画を作成できるように進めていく予定です。

画像はWebアプリです。
この画面からカメラや動画を選択できます。
「クリップ」バーを選択すると、記録されたビデオクリップが並んでおり、必要な場面を選択できます。

○論文「セルフアドボカシーへの支援を目的にした客観的情報を含む ICF-CY に則った eポートフォリオ

○1月17日
事例データベースシステムモバイル、2回目の試験実施

アイフォンを使った2度目の試験を中央区エンジェル療育教室で実施しました。
今回はラネクシー穴沢さんも同席してくださいました。

前回はアイフォンをオルガンの上に固定しましたが、今回は観察者が胸ポケットに入れました。
ウエアラブルドライブレコーダーといった状態でしょうか。
問題行動発生のスイッチは、指導者の1人が担当しました。

いくつか課題はあるものの、活動の様子、問題行動の先行条件と結果事象は明瞭に記録されました。
実用化に向けて一歩前進したと思います。
機材はエンジェル療育教室で自由に活用することとなりました。

○12月13日
事例データベースシステムモバイルの有効性検証(1)

12月6日に実施した結果について報告します。
エンジェル療育教室の母子プレイ場面4クリップの動画を使用し、先行条件・行動・結果事象について、長澤が動画を見てABC分析シートに記入しました。
エンジェル保育園等、プレイに参加していないスタッフも独自に動画を見て分析シートに記入しました。
長澤の分析とスタッフの分析が一致しているかどうか判断しました。

その結果、ほぼ100%一致していることがわかりました。

データはまだ全部集まっていませんので、最終判断は持ち越しですが、有効性を保障する根拠になり得ると考えます。
今後データをそろえること、スタッフへの聞き取りなど、有効性に必要な根拠を集める予定です。



○特別支援教育事例データベースシステムモバイル(仮称)

12月6日エンジェル療育教室にて運用試験を実施しました。
プレイルームのオルガンの上にiPhoneを置き(写真)、もう一つのiPhoneがスイッチです。
プレイ中に問題行動が発生したときにスイッチを入れます。
すると問題が起こる前20秒さかのぼって録画され、その後の20秒、計40秒ほどが録画記録されます。
時間設定は任意に変えられます。

このビデオクリップはWeb上で管理されます(セキュリティ万全)。
関係者で共有し、問題行動への支援について検討することが可能です。
指導検討、指導のふりかえり、ケース会議、保護者相談、職員研修など、さまざまな使い方ができます。

次回1月はスイッチをアップルウォッチにして実施する予定です。
まずはこのビデオクリップでABC分析がしっかりできるのか、検証します。
エンジェル療育教室の職員への聞き取りから、実用に向けての問題点を検証します。



 


業績一覧(令和2年3月26日更新)

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